透過力による分類
放射線にはアルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線などがあり、それぞれ物質を突き抜ける能力(透過力)が違います。一般的には、ガンマ線の透過力が最も強く、続いてベータ線、アルファ線となっています。アルファ線の透過力が弱いということは、アルファ線はベータ線やガンマ線に比べて巨大な粒子であるため、アルファ線は物質中ですぐエネルギーを失うということを示します。
α線
α線は電離作用が強く、空気中では線源から数cmで止まってしまう程、物質中の飛程が短い。そのため紙等でも十分遮る事ができます。α線を放出する核種は内部被曝に注意する必要があります。ヘリウム(He-4)の原子核がその正体。アルファ(α)粒子とも呼ばれています。
β線
電子1個がその正体で、ベータ(β)粒子とも呼ばれています。β線の透過力は弱く、通常のエネルギーのものは1cm程度のプラスチック板で遮る事ができます。γ線の内部転換または光電効果による二次元電子線、人工的につくられた高エネルギー電子線などもβ線に含める事もあります。
γ線
励起(れいき)状態にある原子核がより安定な状態に移るとき、または粒子が消滅するときに生ずる電磁波です。原子核に基因するのがγ線で、原子に基因するのはX線です。γ線は透過力が強く、一般に鉛で遮蔽します。γ線は核壊変あるいは核反応に付随して放出され、核種に固有な一定のエネルギーを持ちます。
X線
紫外線よりも短い波長を持つ電磁波の一種。X線は特性X線と連続X線に分類されます。特性X線は電子が励起されたり、電子が原子から分離されたりした状態から安定した状態に戻るとき、そのエネルギーを電磁波であるX線として放出されたものです。また、連続X線とは、高速に加速した電子が、原子により失速した際に発生する電磁波です。X線は発生源が異なるだけで、γ線と同一であるとされます。γ線と同様、α線やβ線に比べて透過力が強いので、止める場合は鉛で遮ります。検出はγ線と同じものが用いられます。
中性子線
中性子は原子核を構成する素粒子の一つで、中性子線とは中性子の流れのことを指します。中性子は電荷を持たないので透過性が高く、原子核内に簡単に入っていくことができるので、核反応を起きさせるために利用されます。中性子線はエネルギーや速度によっていくつかに分類されています。止める場合は、鉛等で速度を落としたのち、水やコンクリートのように水素原子を多く含むものに当てます。
陽子線(ようしせん)
陽子は原子核を構成する素粒子の一つで、陽子線は陽子の流れのことを指します。陽子を加速器で高エネルギーになるまで加速すると、透過力の大きな電離放射線になります。陽子のもつ正の電荷により飛跡付近の電子に力を及ぼすことで、エネルギーを失い減速します。その後エネルギーを失って止まる寸前になると、力が及ぶ時間が長くなり電離量は急速に増します。最後に速度が0になったところで止まり、その先の物質とは一切相互作用しないという特徴があります。
電子線(でんしせん)
通常の電子の流れと違い、外界に飛び出す事ができるくらい速い流れの電子の束のことをいいます。自由電子に電圧をかける事により加速し、薄膜を通過して外界に飛び出させることができます。陰極線も電子線の一種です。
重粒子線(じゅうりゅうしせん)
原子核の構成要素である陽子と中性子により構成されている粒子を加速器で加速したものをいいます。これは宇宙線に含まれている場合もあります。

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