放射線/放射能/放射性物質の概要

放射線はどうやって出るのか

すべての物質は原子でできています。原子(元素)にはさまざまな種類があり、それらが結びついて分子をつくり、分子が集まって物質になります。原子には水素や酸素など、様々な種類のものがありますが、大部分は安定した性質で、圧力を加えても、熱しても化学反応を起こしても、他の原子に変わることはありません。
しかし、原子の中でもごく一部のものは不安定な性質をもっており、エネルギーを放出して安定した別の原子に変わろうとします。これを原子核崩壊と呼びます。このとき出るエネルギーのことを「放射線」と呼びます。
アルファ線(α)、ベータ線(β)、ガンマ線(γ)などの放射線は、エネルギー的に不安定な原子核が安定な種類の原子核に変わるとき、つまり元素の種類が変わるときなどに原子核から出ます。

放射能と放射性物質

放射線を出す物質のことを「放射性物質」といいます。また「放射能」とは、原子核が崩壊して放射線を出す能力を意味する言葉で、数量的には1秒間当たりに崩壊する原子の数で示されます。
原子力関連の事故に関するマスコミ報道などでは、「放射線」、「放射能」、「放射性物質」の用語が混同されて間違って報道されていることが多いので、文脈などからよく確認して理解することが必要です。
たとえば、「放射能漏れ」と報道されているもののうち、「放射能」が実は「放射線」を指していたり「放射性物質」を指していたりする場合があるので、これらの用語を理解して、よく確認して判断することが必要です。

放射能と壊変について

放射線を出す元素を放射性同位元素といい、原子核から放射線を出して他の種類の原子核に変わる性質を放射能、その現象を壊変といいます。それらが持つ放射能は時間が経つとともに減ってきます。放射能が半分になるまでの時間を半減期といい、放射能の強さは原子の数に比例するので、原子数の半減期間と放射能の半減期は同じです。半減期は放射性同位元素の種類によって決っており、温度や圧力などの外からの影響を受けません。半減期は、数十億年以上という長いものから、百万分の1秒以下の短いものまで様々です。壊変崩壊という言葉は、原子核が壊れるようなイメージがありますが、実は原子核が別の種類の原子核に変わることを意味します。

放射線の性質

  1. 透過作用:物質を透過する性質
  2. 電離作用:物質を透過するさい、その物質を作っている原子や分子にエネルギーを与えて、原子や分子から電子を分離させる性質
  3. 蛍光作用:物質にあてると、その物質に特有な波長の光を放出する性質
  4. 感光作用:写真フィルムを感光させる性質

これらの性質は、放射線の種類によって持っていない性質もありますが、大体はこれらの性質を持っています。たとえば、中性子線には電離作用がありません。

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